榊原(葉っぱ)です。

先日、刈谷市美術館で「世界を変える美しい本展覧会ーインド・タラブックスの挑戦」を観てきた。
「タラブックス」というのは南インド・チェンナイの出版社で、美しいハンドメイドの絵本で知られているそうだ。
シルクスクリーンなどによって一枚一枚人の手仕事によって印刷され職人が糸で製本する。

私は本を読むのも好きだが、本の装丁が好きだ。
紙の質、カバー、製本の仕方、挿絵、そんなものに興味がある。
今は電子書籍などで読めるのかもしれないが、やっぱり本が好き。

タラブックスの本は紙の感触がすごくよくて、手に取るとなんかほっこりとした気持ちになった。
「欲しいな。」と思ったから買おうと思った。ハンドメイドだから高いだろうと思ったが、私としては2000~3000円の気持ちだった。
値段を見てみたら7000円以上した。思わず元の位置に戻した。
「ちょっと買えないな。」と思い、かわりにカードを一枚買って帰った。

その夜、新聞を読んでいると、「ネットにのまれた理想郷」という記事で、日本初の児童書専門店メルヘンハウスのことが載っていた。
3月末に閉店した私のおきにいりの本屋だ。
「最近はものの買い方がずいぶんシビアに変わってきた。」と店主の三輪さん。
絵本を読むでもなく真っ先に裏表紙を見る。そこには値段と対象年齢が書いてあり、子どもの年や予算と合わなければさっさと棚に返すだけ。
親子で楽しそうに本を選び大きな紙袋いっぱいに買って帰る常連客は目に見えて減り、代わりに増えたのは本を見るだけで何も買わない人たち。
目星をつけた本の題と作者をメモしてネットで買うのだそうだ。ネットのが安くて便利らしい。
理想郷ではあったが、経営面が追いついていかない。店を終わらせることを選んだ。

私もお気に入りの場所ではあったけど、何度も裏表紙を見ては棚に戻していた。
私が買うのはお店に行った時の1~2冊だけ。メルヘンハウスの袋に入れてもらうのがうれしかった。
閉店間近の2月に行った時も欲しかった一冊だけしか買わなかった。
もっと買えばよかった。好きなお店だったのに。買えないわけじゃないのに。
好きなお店だったのになぜもっと応援してあげなかったんだろう。

お金は何かを応援するために使うべきなのだ。
自分がちょっぴり嫌になった。